ドイツで毎年行われるベルリンフィルのヴァルビューネコンサートという野外コンサートが
今年は悪天候のため中止になったそうです。
私も3年前にドイツに旅行に行った際コンサートを訪れました。
その時も開始前にかなりの雨が降りましたがその時は無事開催されました。
以前のホームページの日記にその時のドイツ旅行のことを備忘録として残していたのが出てきましたので
もしお時間有って興味のある方だけご覧下さい。
日付は2008年6月です。
初日
関空からフランクフルトへ、ルフトハンザ航空で11時間半のフライト。搭乗後約2時間で早くも足が痛みだす。
なんやかんやでフランクフルトに到着そこからベルリンへ国内便へ乗り換え。
自動の発券機で切符を発券したときに人の切符もなぜか取ってしまい飛行機内で自分の席がどこか分からなくなりパニック状態に。
実はなぜか切符がビジネスへグレードアップしていたため。その誰かの切符はキャビンアテンダントさんに無理矢理渡す。
その機内にて気圧で猛烈に耳が痛み出す。早くもこの旅の波乱を予感させる。
着いた時間が夕方だったため到着後ホテルに向かう。
空港からホテル最寄り駅までバスが出ていたので乗る。
京都と違い道が入りくんでいて迷う。Googleで詳細な地図を印刷していったのだがそれでもかなり迷う。
30分ほど歩いてホテルに到着。周りの雰囲気が悪い。エレベーターの扉も手動で狭く怖い。
以後そのエレベーターは使わず部屋は6階だが階段を使用する事に。
近くのレストランでドイツ初ビールと食事。悪くないがすごく不思議な味、ビールは冷たくて美味しい。
疲れきって9時頃就寝。
2日目
実は今回の旅のメインイベントはこの日夕方に待っている、年に一度ヴァルトビューネで行われるベルリンフィルの野外コンサートなのだが、
ドイツにせっかく行くのなら楽器屋へも行きたいと思っていたのでベルリンの楽器屋へ向かう。
ただここで問題が。
ドイツは日曜日はお店が休んでいることが多いというのは知っていたのだが、行く道中の店がほとんど休んでいる。
まさかここまでとは、不安がよぎる。
案の定行きたい店は全て休み。そんな気は薄々していたのだが。
足が棒になるほど歩いたのに、ショック。
思いっきり月曜から金曜と書いてある。
いったんホテルに帰りメインイベントに備えるが、そろそろ出ようかと思った瞬間雷を伴う大雨が降り出す。
自分の雨男ぶりを恨む。
しかもカッパも傘も持ってきていない。現地で買えばいいやと思っていたのだが前述の通り店がどこも開いていないため買えない。
行きたい楽器屋も閉まっている、おまけにコンサートまで中止かと肩を落としていたところ願いが通じたのか
青空がのぞき出す。
ホテルの最寄りのシャルロッテンブルグ駅からヴァルトビューネまでSバーンで行く。
電車内ではおそらくコンサートに行くであろう人たちもちらほら見かける。
駅から会場まで徒歩で10分ほど行くとすでにかなりの行列が出来ている。
なぜか並んでいる列を一瞥もせずドンドン違う方向に歩いている人たちがいて又焦る。「ひょっとしてこの列は当日券の人たちなのか、
いや売り切れているはずなのでそれはないはず」と自分に言い聞かせながらただひらすら並び続ける。1時間半ほど経って開門。
手荷物チェックを受け何の問題もなく入場。あの不安は何だったのか。
短い道を抜けると眼下には会場が開ける。
じわじわ客席が埋まり出し、演奏者がステージに揃いだした頃またもぽつぽつと雨が降ってくる。またか。
しかし演奏者も交えたウエーブが収まる頃雨も降り止む。
みんな屋台でビールや食べ物を買ったり、持ち込んだお弁当を広げたりしている。
自分もガイドブック通りのつたないドイツ語でビールを注文。
若いカップルや長年連れ添った感じの老夫婦、家族連れ、友達同士とてもフレンドリーで和やかな雰囲気。
ここにいる全ての人が本当にに心からコンサートを楽しみにしている感じが伝わってくる。
演奏の内容はいうまでもなく素晴らしく、二時間ほどのステージはあっという間に過ぎていく。
日が陰り出すと会場に小さな花火がちらほら。
最後に恒例になっている「ベルリンの風」で締めくくり。
このコンサートが見られただけでもここまで来た甲斐があったと思わせられるほど、何とも言えない幸せな気持ちにさせられた。
3日目
ケルンへ移動する予定だったのだが前日のベルリンのベース屋に行けなかったのがあまりにも悔しいため
予定を繰り下げ1時間以上かけ再度訪問。
しかし再度閉店中。愕然とする。9時開店予定ではないのか。
近所の人に聞いてみるが「わかんないけど多分10時には来ると思うよ。」とのこと。
10時まで待つが来る気配全くなし。
縁がなかったとベルリンを発つ。
しかしここでもトラブルが。
今回電車での移動が多くなるのでジャーマンレイルパスというドイツ中列車乗り放題券なるものを購入していたのだが、
この券はバリデーションという使用開始手続きをしないといけない。ガイドブックには主な駅で出来ると書いてあり
有る程度どこの駅でも出来る物と思っていた。
ベース屋さんの近くの駅の窓口でパスとパスポートを出し宜しくと言ったのだが、そこのおばさんは「なにこれ、見たこと無いわ。」
といった感じの恐ろしく無愛想な対応。他の窓口でも英語がまるで通じず他の駅員さんも寄ってきたのだが
またもこんな物見たことも聞いたこともないような素振り。とりあえずケルンへ向かう駅まで行けば分かるかもと思い
その駅まで30分以上かけて移動。
そこはかなり大きな駅なので大丈夫だろうと思い窓口に行くが長蛇の列。しかも一人一人が恐ろしく時間がかかっている。
そこで30分以上待たされパスを見せたところ
「これはここでは無理なの。ツォー駅かベルリン中央駅まで行かないと。」
おいおいハンコ押すだけやのに何で無理やねん、と関西人丸出しのつっこみを心の中で入れつつ、近い方のツォー駅へ。
ここでもかなり待たされたあげく先ほどとほぼ同じ台詞が。
「これはここでは無理なの。ベルリン中央駅まで行かないと。」
・・・心が折れそうになり階段で思いっきりこける。
ベルリン中央駅の窓口で無事ハンコをもらったときの喜びはこの旅で一番だったかもしれない。
しかしこの間費やした時間は2時間以上。大幅なタイムロス。
当初の予定では昼頃にケルンに着いている予定だったのだがこの時点ですでにその時間を軽くオーバー。
ここからケルンまでICEというドイツの新幹線みたいな列車で4時間ほど。
意識朦朧でケルン到着。
駅を出るといきなり大聖堂。かなりの存在感。
観覧は明日にしてホテルに向かう。勝手な先入観でケルンは田舎なのかと思っていたのだが結構都会。
町のサイズもとても良い感じ。歩いてホテルまで向かう途中も様々な店が軒を連ねており華やかな印象。
どうでも良いことだがその晩ホテルの近くのイタリアンレストランで食事をした際、店員に「Excuse me?」と声をかけると
「俺はヨーロピアンだ。ドイツ語話せ」
と怒られる。その後ドイツ語で注文すると機嫌がものすごく良くなるということがあった。
4日目
ケルン大聖堂へ。
周りの景色と馴染んでいないためかそこだけ異様な光景。かなり荘厳な雰囲気に圧倒される。
その後ボンのヴェートーベンの生家へ。
ブリュールにある世界遺産のアウグストゥスブルグ城
その後フランクフルトへ。
最終日
今回の旅でもう一つここは行きたいと思っていたのがロイトリンゲンにあるコントラバス専門店。
しかしベルリンでのトラウマから開いているか電話で確認した方が良いと判断し、
フランクフルトの公衆電話から電話。
「もしもし今日は開いてますか?」
「やってますよ。どういうご用ですか。」
「実は自分は日本でコントラバス専門店をやっているのだが見学させてもらえませんか。」
「申し訳ないが、予約が入っているので今日は無理だ。君はいつまでドイツにいるのだ。そうか今日までかそれは残念だ。」
だいたいこんな感じの会話を交わす。ただ最後の方かなり早口だったため実は全然違うことを言っていたかもしれない。
そこはポジティブシンキング、電話に出るということは開いている、実際行けば追い返しはしないだろうと意を決して出発。
フランクフルトから目的地のベース屋さんまで電車で2時間強。
またまた相当迷いながらなんとか到着。
建物の二階の大きなドアを開けようかと思うのだがまるで音が聞こえない。もしやまたかと思いつつノックをし中へ。
開けると心地よいアルコの音と共にすさまじい本数のベースが。
すると職人さんらしき人が
「さっき電話暮れたのは君かい?今楽器を弾いている彼女が帰ったら時間があるしソファで待ってて。」と、嬉しい返事。
そこは体育館の半分ぐらいはあるかというスペースにおそらく80本ほどのコントラバスが整然と並んでおり圧巻の光景。
この列があと5列ぐらい合った。
お客さんであろう女性のとんでもなく上手い演奏を聞き惚れながらしばし待つ。
30分ほどして彼女が帰っていき先ほどの職人さんが挨拶をしてくれた。
彼はフランス人でイギリスで修理の勉強をし二年ほど前にこの店に来たそうだ。
いきなり押しかけた観光客にもかかわらずいやな顔一つせず色んな楽器を見せてくれたり
(ベルトが付いていて持ち運びできるようになっている。)
色んな面白い話を聞かせてもらった。
前日サッカーのユーロ2008でフランスが負けたのが相当悔しかったらしく、落ち込んでもいた。
とても有意義で勉強になるひとときだった。
以上でドイツ旅行記終わります。
他にも小さなトラブルは山ほどあったのですがここでそれを書いても仕方ないのでこれぐらいにしておきます。
全部読んでいただいた方、有難うございます。